越境者たちホワイト・サバイバル

LES SURVIVANTS／WHITE PARADISE ２０２２年フランス９３分サスペンス／アクション／ドラマ劇場公開（2024/07/19）

監督：
ギヨーム・レヌソン
脚本：
ギヨーム・レヌソン出演：
ザール・アミール＝エブラヒミ・・・チェレー
ドゥニ・メノーシェ・・・サミュエル

＜ストーリー＞妻を亡くしたサミュエルは、フランスへの亡命を試みる女性・チェレーを助けることに。ふたりは亡命者を執拗に追う自警団から逃れ、雪山を踏破しようとするが…。極寒のアルプス、
自由のためにふたりは命を懸けた――

―感想―

自分の過失てのもあるし、サミュエルは最愛の奥さんを事故で亡くした事で自暴自棄になってたんやろなあ。眼がね、死んでるもの。亡命者のチェレーを何の代償も無いのに手助けしたのは、奥さんの姿を重ねてしまったてのも多少あるだろうけど、殆どが「もうどうにでもなれ」な心情だったんじゃないだろうか。「森を抜けたらそこからは一人で行け」と言っておきながら結局最後まで付き合ってたしね、自身は体ボロボロになっているのにさ。助け、助けられで、どうにか2人共生き延びたものの、難民キャンプで目を覚ましたサミュエルの前からは既にチェレーは姿を消し、再び孤独に。結果的にチェレーは亡命出来た様でサミュエルは安堵したものの、自分は何故生かされたのか、生きてて良いのかと複雑に思いながらも、迎えに来てもらう為に電話を掛ける。ついでに留守中預けている幼い娘に電話を代わって貰うと、電話越しで娘の口から出た言葉は「パパ、早く帰ってきてね」出発前、あんなに娘に対してつらくあたったのに、まさかの優しい言葉。こんなん聞いたらそりゃ親なら、泣くわ。我が子からの愛を強く受け止めた事で、もう一度娘の為にも頑張って生きてみよう、そんな決心と覚悟をサミュエルの目に溜めた大粒の涙から感じ取れました。サミュエルとしても我々鑑賞としても、ラストで感動を得られる救いがあったのは良かった。評価：★★★